身体を守るために、ヒトの身体は「自分自身」と「異物」を区別しています。
本来であれば、身体を守るための免疫反応が過剰に反応してしまうことを「アレルギー」といいます。
たとえば、「くしゃみ」は異物を体の外へ排除するための反応ですが、免疫機能が過剰に反応してアレルギーとして発症すると、くしゃみが止まらなくなってしまったり、かゆみが生じたりする場合もあります。
私たちの身体は、身体を守るための「免疫機能」でウイルスや細菌から異物を守る働きをします。
そのため、異物が体の中に侵入をしようとすると、攻撃して侵入しないようにする働きがあります。
本来であれば、「ハウスダスト」「花粉」「食べ物」などは体内に入っても反応はありません。
しかし、一旦アレルゲン(アレルギーの原因物質)として認識した場合には、そのアレルゲンが体内に入るたびに過剰な免疫反応が引き起こされます。
そうすると、アレルギー物質が体内に入り込むたびにアレルギー症状を発症します。
特定の物質がアレルギーとして反応するかどうかは、はっきり解明されてはいませんが、「遺伝的要因」と「生活環境」が大きく関係していると考えられています。
アレルギーの症状は個人差があり、さまざまな症状が出ますが、「くしゃみ」「鼻水」「咳」「喉の痛み」などがあります。
風邪の症状と似ていることもありますが、アレルギー症状の場合には、繰り返しくしゃみが出る、鼻水が水っぽいなどの風邪とは違う症状があります。
また、目の充血・かゆみ・蕁麻疹・皮膚のかゆみなどの症状が出る場合もあります。
食物アレルギーの場合には、アレルゲンとなる食品を食べることで強いアレルギー症状を発症する場合もあり、アナフィラキシーと呼ばれる呼吸困難になる可能性もあります。
アレルギー症状は、全身のさまざまな部分に発症する可能性があり、体調や体質によっても症状の出方も様々なので、日ごろからアレルギー物質を避けるようにすることが大切です。
アトピー性皮膚炎の原因は最近の知見で、「アレルギー体質」「皮膚バリアの機能の低下」「環境・心理的要因」などが考えられています。
アレルギーの中でも「遺伝」的な要因が強いと考えられており、両親のどちらかがアトピー性皮膚炎の場合には、60~70%程度の確率で発症します。
肌バリアが弱くなっている方が発症することが多い疾患です。
アトピー性皮膚炎は、かゆみのある発疹を主な症状としてカサカサ皮膚が乾燥したり、かさぶたができたりする場合もあります。
皮膚のバリア機能が低下しているため、通常であればかゆみを伴わない刺激でも掻いて、さらに悪化させてしまうことが多くなります。(かゆみ⇒皮膚をひっかく⇒皮膚のバリア機能が低下⇒皮膚の炎症・湿疹悪化⇒かゆみが増悪の悪循環)
イッチ・スクラッチ・サイクル(かゆみと皮膚をひっかく循環)と呼ばれており、アトピー性皮膚炎が悪化し長引く原因とされています)
アトピー性皮膚炎は一旦良くなったと思っても、また悪くなる状態を繰り返します。
発疹は、左右対称に出ることが多く、ひじ、膝などの曲がる部分や首、顔、お腹や胸にかけてなど広範囲に症状が出る場合があります。
季節の変わり目や生活環境の変化などを受けやすい特徴があります。
アトピー性皮膚炎は、症状が無くなるかもしくは軽度の症状で、薬による治療を必要とせずに、日常生活に支障はない状態を維持することが目標になります。
アトピー性皮膚炎の治療は3本柱があり、「スキンケア」「悪化要因の対策」「薬物療法」の3つです。
花粉症は、スギやヒノキなどの花粉などのアレルギー反応のある花粉が飛散している時期にアレルギー症状が出て、それ以外の時期には症状が出ません。
しかし、花粉症の原因となる花粉は、日本だけでも60種類以上飛散していると考えられており、地域や季節によっても異なります。
鼻水・くしゃみ・目のかゆみなどは空気中に浮遊している花粉が鼻や目の粘膜に付着した時に取り除こうとして起きるアレルギー反応です。
花粉症は、発症すると花粉が飛散する時期になると、症状が出るため長く付き合っていかなければいけない病気です。
様々な症状が集中力を低下させて、日常生活の質が低下します。
そんな時に、不快な症状を緩和して、少しでも快適に過ごすためには「薬」の服用があります。
花粉飛散予測日の1~2週間前から服用し始めると、ピークの症状を緩和したり、発症を遅らせたりすることが可能です。
食物アレルギーは、ある特定の食物を食べた時や触れた後にアレルギー反応が現れる疾患です。
原因となるアレルゲンの多くは、タンパク質です。
乳幼児の5~10%程度、学童期の1~5%程度が食物アレルギーといわれており、成長とともに原因食物が食べられるようになるお子さんが多くなります。
しかし、大人の方が発症した場合には、耐性を獲得しにくいため、原因となっている食品の除去が必要なケースが多いでしょう。
食物アレルギーは、皮膚だけでなく消化器や呼吸器など広い範囲で症状が発症します。
多くは皮膚症状で約80〜90%程度、粘膜や呼吸器に約10~20%程度、症状がみられます。
皮膚:湿疹・かゆみ・発赤・じんましん
呼吸器:くしゃみ・鼻水・鼻つまり・息苦しさ・喘鳴
粘膜:かゆみ・充血・口や唇の違和感・腫れ
消化器:下痢・吐き気・血便
これらの症状は1つだけのこともあり、急に複数の症状が出るアナフィラキシーもあります。
アナフィラキシーの場合には、呼吸困難や血圧低下などショック症状が出る場合もあるため、早急に受診することが大切です。
原因となるアレルゲンを除去する「除去療法」が一般的です。
卵の場合には、お菓子などにも含まれる場合があるため、表示をきちんと確認して飲食することが大切です。
食物アレルギーの患者さまでも少量であれば大丈夫な場合や加熱をすると症状が出ない場合など様々です。
これらは自己判断ではなく、食物負荷検査で最小限の量を摂取して確認する方法があります。
その症状に合わせて治療を行います。
かゆみやじんましんに対しては抗アレルギー薬を服用したり、呼吸器の炎症には気管支拡張薬を使用したりする場合もあります。
症状が強いアナフィラキシーショックの場合には、アドレナリンを注射することもあります。
血液を採取して、アレルギー物質に対するIgE抗体があるか調べる検査です。(IgE抗体とは、1型アレルギー反応を引き起こす抗体です。)
血液検査だけで調べることができるため、比較的負担の少ない方法ですが、症状が出ていなくてもIgE抗体が検出される場合があります。
IgE抗体の値が高いからと言って必ずしも臨床症状を相関しないというところです。診断の参考地として扱っています。
アレルギー科では、アレルギー物質によるアトピー性皮膚炎や花粉症、食物アレルギーなどの疾患を治療することができます。
また、目、耳、鼻、気管支などにいろいろな症状が出る疾患に対して治療を行う科目です。
気になる症状がありましたら、お気軽にご相談ください。
診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日・祝 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
09:00~13:00 | ● | ● | ● | / | ● | ● | / |
16:00~19:00 | ● | 訪問診療 | ● | / | ▲ 17:30迄 |
/ | / |